『ターミネーター』

エリン・ブロコビッチ

アメリカ最大の公害訴訟の実話「エリン・ブロコビッチ」

エリン・ブロコビッチ | Movie Walker

2000年の映画「エリン・ブロコビッチ」は、美人女優ジュリア・ロバーツが実在の人物エリン・ブロコビッチに扮した社会派の映画。エリンは弁護士ではないながらも、公害訴訟で米国最大の賠償を勝ち取ったことで有名になった人です。はすっぱで下品な女性を演じたジュリア・ロバーツの演技は素晴らしく、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞の主演女優賞をはじめ数多くの賞を受賞しました。可愛らしい面ではなく、クレバーな魅力を発揮したジュリアを堪能できる映画です。

<難しい訴訟に素人が挑んだ実話に基づく異色の作品>
2度の離婚歴のあるシングルマザーのエリン・ブロコビッチは、働き口がないため強引に法律事務所で働き始めます。そこで偶然見つけた訴訟案件が、企業が公害を隠ぺいするためのものではないかと疑いはじめ、一人で調査を続けました。卓越した記憶力とバイタリティで、プロ顔負けの調査をしてついには相手企業の隠ぺい工作の証拠をつかみます。その結果、和解金額は3億3300万ドルという、当時のアメリカでは過去最高の金額となりました。

子どもたちを育てるために必死で働きつつ、六価クロムの害によって体を蝕まれていく被害者のためにも賢明に活動するエリンの姿を、ジュリア・ロバーツが熱演しています。彼女の演技の中でも、最高傑作と言えるでしょう。


<ジュリア・ロバーツの不幸>
ジュリア・ロバーツは1967年生まれ。俳優だった兄エリックの影響で高校卒業後に演劇学校に通い女優を目指しました。両親は彼女が5才のときに離婚、母親の再婚相手である継父はアル中のDV男という最悪の家庭環境で育ちます(10才のときに実父は亡くなりました)。16才で母親が離婚するまで、大変な思春期をすごしたと言われます。こうした経験が、エリン・ブロコビッチで、2度の離婚歴のあるシングルマザーを演ずる際に役だったとも考えられます。

86年のデビュー当初はほとんど注目されませんでしたが、89年に出演した「マグノリアの花たち」でゴールデングローブ賞の助演女優賞を受賞し注目され、翌90年には「プリティ・ウーマン」に主演して、ゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得しました。「プリティ・ウーマン」では娼婦の役だったため、出演が決まった際には、自分の母親に「今度はディズニー映画に出る」とだけしか伝えられなかったそうです。(映画の配給はディズニーだった)

家庭環境のせいか妹のナンシーとは不仲で、ナンシーが自殺する際の遺書に「ジュリアのせい」と遺したとされています。兄との関係も良好ではないと伝えられます。


<エリン・ブロコビッチの不幸>
映画の中ではエリン・ブロコビッチの成功実話だけがストーリー化されていますが、実際のエリンはかなり苦労をしたようです。訴訟の成功で大金持ちになると、映画にも登場する恋人のジョージが金を要求するようになり、前夫からも無心されるようになりました。子どもたちは薬物依存で治療を受けるようになります。3度目の結婚をしましたが、すぐに離婚。相手からは扶養手当を要求されるなど、金を手にしたことで、不幸になってしまったようです。

「エリン・ブロコビッチ」はジュリア・ロバーツが見事な演技を見せる秀作です。背景にある不幸も意識しながら観てみれば、人間社会の複雑さも透けてみられてさらに面白くなるはずです。

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