『GO』

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日本の青春映画の傑作、『GO』

GO | Movie Walker

20代までに見るべき邦画
日本の青春映画の傑作、『GO』。差別に対するアンチテーゼなど社会的なメッセージも込められていますが、肩の力を抜いて主人公とヒロインの恋の行方を見守ってみましょう。 『世界の中心で愛を叫ぶ』などの作品でも有名な行定勲監督の代表作、『GO』は2001年に公開され、数多くの映画賞を受賞しました。在日韓国人の青年の痛々しい青春を描く群像劇です。フィルム越しに、日本の中に確かにある「差別」を見つめてみましょう。

<『GO』…あらすじ>
在日韓国人の主人公・杉原(窪塚洋介)は日本の高校に通う3年生。父親に仕込まれたボクシングで、悪友たちと喧嘩や悪さに明け暮れていた。しかしある日彼は友人の開いたパーティーで桜井(柴崎コウ)と出会い、親しくなっていく。そんなとき、唯一無二の在日韓国人の親友が、日本人の高校生に喉を刺されて、命を落としてしまう…。

<名前って何?>
作品冒頭にエピグラフとして登場するシェイクスピアの戯曲の有名な台詞が、この映画全体を象徴しています。「名前って何? バラと呼ばれている赤い花を、別の名前で呼んでも美しい香りはそのまま」。つまり、在日韓国人も日本人も、本質的には何も変わらない、ということでしょう。にも拘わらず、日本人は少数派である彼らを忌み嫌い、差別してしまいます。『GO』はそんな愚かしい考えを、優しくあらためさせてくれる映画です。

<でも、快活な恋愛もの!>
しかし、作品には特に小難しいところはありません。窪塚洋介の独特のムードと柴崎コウの奔放さが、全編に快活な印象を漂わせています。恋愛映画としても一流で、単純に観る楽しさがある映画でもあります。社会的なメッセージも込められていますが、むしろ青春ものとして割り切って鑑賞するのが正しい態度かもしれません。エネルギーのない若者たちに喝を入れてくれる、元気いっぱいの享楽的な1本とも言えるでしょう。 <原作も要チェック>
『GO』の原作小説は、直木賞も受賞している作品です。著者の金城一紀氏は他にも『フライ・ダディ・フライ』『SP』など、映像化された作品をいくつも書いています。原作の著者から見るべき作品を広げていく、というのも映画の楽しみ方の1つかもしれません。 雰囲気としては、1993年のアメリカ映画、『トゥルー・ロマンス』にもかなり似ています。この映画が好きな人も、『GO』を手に取ってみると良いでしょう。

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