『ハート・ロッカー』

ハート・ロッカー

クールな爆弾処理班の働きを描く戦争映画『ハート・ロッカー』

ハート・ロッカー | Movie Walker

20代までに見るべき洋画
クールな爆弾処理班の働きを描く戦争映画『ハート・ロッカー』。アカデミー賞にも輝いた傑作です。『プライベート・ライアン』が好きという方にもおすすめ! 戦争の怖さと愚かしさを学びましょう。
『ハート・ロッカー』は2008年のアカデミー賞において、なんと作品賞・監督賞・オリジナル脚本賞・編集賞・音響効果賞・録音賞の6部門を受賞した戦争映画の傑作です。「棺桶」「苦痛の極限地帯」を意味するタイトルの通り、戦場の非常にシビアな現実を描いた作品。社会派のシネマに興味がある方は、教養として鑑賞するのも良いでしょう。

<『ハート・ロッカー』…あらすじ>
舞台は2004年のバグダッド。アメリカ軍の危険物処理班は、市民の生活を脅かす路上の爆弾の解体と、安全に爆破処理させる作業を進めていた。しかし、すべての準備が完了し、兵士たちが退避しようとした瞬間、突如爆弾が炸裂。殉職した男たちの代わりに、また新たな兵士が送り込まれてくるが、灼熱の炎天下で悲劇は連鎖していく…。

<圧倒的な「無感覚」が突き刺さる>
この作品には、全編を通して静かな印象が漂います。激しいイジメを描いているにも関わらず、です。まるで当人たちにはいじめている意志や、いじめられている意志が感じられていない、というように。いかにも無感覚に人を傷つけられ、また痛みを感じずに傷つけられることができる…少年少女たちの離人症めいた感覚を、実に精緻に描いています。 もしあなたが作品の中の彼らと同じ中学生ならば、きっと深い共感を得ることができるでしょう。また20代の人が観ても、当時の感覚が痛々しくよみがえってくるはずです。

<生々しい描写の数々>
『ハート・ロッカー』の見所は、そのリアルな描写にあります。映像からはバグダッドの苛烈な暑さが伝わり、一瞬で人体をばらばらにする爆発物の恐怖が感じられます。
録音賞を受賞しているだけあり、爆発音も圧倒的にリアル。鼓膜を打つ爆発音が、スクリーンのこちら側にいる鑑賞者にも寒気を覚えさせます。『プライベート・ライアン』のSEに魅了された人は、『ハート・ロッカー』でも同様の感動を得ることができるでしょう。
兵士を見守る現地の人々の不安げな表情も実にリアル。戦争の恐ろしさと愚かしさが、ひしひしと伝わってくることでしょう。戦争映画でありながら、反戦映画でもあります。

<戦う意味は何?>
兵士たちは、ただ淡々と爆発物を処理していきます。「なぜ戦うのか」「処理するのか」という理由はほぼ一切説明されません。もちろんアメリカがイラク戦争に乗り出したのには合理的な理由があります(石油を狙っているとか…)。しかし一兵士レベルの行動からはそういう背景はまったく感じられない。ただ戦場に身を置くことを強いられている…という戦争の怖さが、感情のない、被写体を突き放したようなフィルムに焼き付けられています。
クールな映画が好き、という方にもおすすめできる1本かもしれません。もっとも、主役を演じたジェレミー・レナーは、ラジオで「飛行機の中で睡眠薬と間違えてバイアグラを飲んでしまった」と語ったこともあるフランクでチャーミングな人物です。『ハート・ロッカー』の演技に魅了されたら、彼の出演作を追ってみるのも良いかもしれません。

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