『プリティ・ウーマン』

プリティ・ウーマン

「プリティ・ウーマン」でヘップバーンの後継者が誕生

プリティ・ウーマン | Movie Walker

1990年の「プリティ・ウーマン」は、新人女優ジュリア・ロバーツが、アメリカンビューティとは彼女のことであると知らしめた映画です。ストーリーは、実にシンプルな夢物語。二枚目の大富豪が道端でコールガールと出会い、ビジネスの手伝いをさせようと使っているうちに、彼女の不思議な魅力に惚れてしまうというシンデレラストーリーです。ラストでは、娼婦ビビアンは大富豪エドワードの求愛を受けて、「幸せに暮らしましたとさ」というハッピーエンドになります。

「バカバカしい話」に過ぎないのですが、ジュリア・ロバーツの天真爛漫な演技に、「バカバカしい」ことをすっかり忘れて、魅了されてしまいます。オードリー・ヘップバーンの映画「マイ・フェア・レディ」に設定を似せて創られており、「ヘップバーンの後継者はジュリア・ロバーツである」と宣言した映画とも言えるでしょう。本作では、その目論見が見事に当たっています。1990年度の全米興行収入第1位に輝いたのは、ひとえにジュリア・ロバーツの美しさゆえです。


<ヘップバーンの後継者としてのジュリア・ロバーツ>
映画の制作時点では主演のリチャード・ギアは大スター。ロバーツは、「マグノリアの花たち」でゴールデングローブの助演女優賞をとってはいたものの、まだまだかけだしの新人に過ぎませんでした。しかし、映画を観終わった時点で観客が覚えているのは、ジュリア・ロバーツのことだけ。ギアがカッコよかったことなど記憶に残らなかったのです。

同じようなシンデレラストーリーである82年の「愛と浅春の旅立ち」では、リチャード・ギアのカッコよさだけが目立ちましたが、「プリティ・ウーマン」では、ギアの存在感はありません。誰もが、長らく空席だったオードリー・ヘップバーンの後継者がとうとう現れたと思いました。そのくらいジュリア・ロバーツの魅力は突出して光っています。

その後99年には、ヘップバーンの「ローマの休日」を連想させる映画「ノッティングヒルの恋人」に出演、再度「後継者」をアピールしました。イギリスの大スター、ヒュー・グラントと共演しましたが、彼が出ていたことなど皆が忘れてしまうほどの魅力を発揮しています。


<「オー・プリティ・ウーマン」がリバイバルヒット>
この映画の主題歌に使われたのは、ロイ・オービソンの「オー・プリティ・ウーマン」。1964年の曲ですので、いわば「懐メロ」です。映画の大ヒットによって、曲も大ヒットしました。ジュリアロバーツの魅力が、曲の魅力まで引き出したと言えるかもしれません。

「かわいこちゃん」としてのジュリア・ロバーツの魅力がもっともよく現れた映画と言えるでしょう。ただ、彼女の魅力は、その美貌だけではありません。かなりの才女ですので、本人の目指している方向は「かわいこちゃん」ではないのでしょう。「ペリカン文書」や「エリン・ブロコビッチ」など政治的な映画にも、積極的に出演しています。

「プリティ・ウーマン」はジュリア・ロバーツのヘップバーン的魅力がもっともよく表れている映画です。ぜひもう一度観てみてください。

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